ショートQ&Aコーナー
- Q:バイブコーディングとは?
A:開発者が生成AIに対し曖昧な雰囲気(Vibe)を伝えて対話的にコードを生成・改善していく開発手法。 - Q:バイブコーディングは何から始めればいい?
A:目的の明確化と雰囲気の言語化から。 - Q:バイブコーディングのやり方のコツは?
A:曖昧な指示と具体的な指示を使い分けたり複数のプロンプトパターンを試したりなど。 - Q:バイブコーディングを実践するときの注意点はある?
A:機密情報・個人情報を入力しないことや法的な課題を認識することなど。
開発現場で注目されるバイブコーディング。
「具体的なやり方がよくわからない」
「プロンプトの具体例が知りたい」
このように思う開発者の方もいるでしょう。
本記事では、バイブコーディングのやり方を4つのステップでわかりやすく解説します。
コピペで試せるReactやPythonのプロンプト具体例や実践のコツ、法的な注意点まで網羅しています。
まずは、バイブコーディングの概要からみていきましょう。
目次
バイブコーディングとは?

バイブコーディングとは、開発者が生成AIに対し曖昧な「雰囲気(Vibe)」を伝え、対話的にコードを生成・改善していく開発手法です。
明確な仕様書や詳細な指示を出すのではありません。
「雰囲気」や大まかなイメージをAIに伝えることから始めます。
そして、AIからの応答(生成されたコード)に対し、対話的にフィードバックを返すことで、目的のコードへと近づけていきます。
このやり方は、アジャイル開発やプロトタイピングと非常に相性がよいです。
従来の開発手法に比べ、圧倒的なスピードでアイデアを形にできる可能性があります。
まさに、開発者とAIがセッション(対話)をしながら実装を進める、新しいコーディングスタイルです。
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バイブコーディングの具体的なやり方4ステップ

バイブコーディングのやり方は、決して難しくありません。
具体的なステップを知れば、開発者なら誰でもすぐに実践できます。
開発者がAIと対話するための、4つの基本的なステップを紹介します。
バイブコーディングのやり方
- 目的を明確化し雰囲気(Vibe)を言語化する
- 初期プロンプトを入力し要件を伝える
- 生成コードをレビューし対話で絞り込む
- コードをローカル環境で実行しデバッグする
これらのステップを順番に、または行き来しながら繰り返すことが、バイブコーディングの基本的なやり方です。
ステップ1:目的を明確化し雰囲気(Vibe)を言語化する
バイブコーディングのやり方1つ目のステップは、目的を明確化し雰囲気(Vibe)を言語化することです。
まず、開発者は自分が何を作りたいのか、その目的を明確にします。
AIは万能ではなく、目的が曖昧すぎると、意図しないコードが生成される可能性が高まります。
例えば「モダンでシンプルなUI」や「高速なデータ処理」といった「雰囲気」を言語化しましょう。
この言語化が、バイブコーディングのやり方の第一歩です。
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ステップ2:初期プロンプトを入力し要件を伝える
バイブコーディングのやり方2つ目のステップは、初期プロンプトを入力し要件を伝えることです。
この初期プロンプトが、AIとの対話の出発点となります。
使用したい言語(例:Python)、フレームワーク(例:React)、機能の概要などを入力します。
この段階で、完璧すぎる指示は不要です。
まずはラフな要件を伝えてみましょう。
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ステップ3:生成コードをレビューし対話で絞り込む
バイブコーディングのやり方3つ目のステップは、生成コードをレビューし対話で絞り込むことです。
一度で完璧なコードが出てくることは稀なので、ここからが対話の本番といえます。
「この部分を修正して」「別のパターンを提案して」など、対話を重ねてコードを絞り込みます。
この対話的なやり方こそ、バイブコーディングの醍醐味です。
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ステップ4:コードをローカル環境で実行しデバッグする
バイブコーディングのやり方4つ目のステップは、コードをローカル環境で実行しデバッグすることです。
AIが生成したコードが、実際の環境で正しく動くとは限らないためです。
構文エラーや意図しない動作(バグ)があれば、開発者が修正(デバッグ)します。
AIを鵜呑みにせず、必ず自身の目で確認しデバッグすることが重要です。
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バイブコーディングの具体例(プロンプト例)3選

バイブコーディングのやり方をより深く理解するために、具体的なプロンプト例を見てみましょう。
実際の開発シーンを想定した3つの具体例を紹介します。
バイブコーディングの具体例
- 【フロントエンド】Reactでモダンなナビゲーションバーを作成
- 【バックエンド】Python(Flask)で簡単なAPIエンドポイントを作成
- 【データ処理】Python(Pandas)でCSVデータを読み込み集計
最初は曖昧な指示から始めるのがバイブコーディングの特徴です。
これらの具体例を参考に、やり方のコツをつかんでいきましょう。
具体例1:【フロントエンド】Reactでモダンなナビゲーションバーを作成
バイブコーディングの具体例1つ目は、Reactでモダンなナビゲーションバーを作成するものです。
フロントエンド開発では、UIコンポーネント作成にバイブコーディングを活用できます。
デザインの雰囲気を伝えるのに適しているためです。
まずは、以下のようなプロンプトで大枠の作成を依頼します。
# React (JSX) と Tailwind CSS を使用
# モダンでレスポンシブなナビゲーションバーを作成してください。
# 要件:
# 1. 左側に「MyLogo」というテキストロゴを配置。
# 2. 中央に「ホーム」「製品」「価格」の3つのナビゲーションリンクを配置。
# 3. 右側に「ログイン」ボタン(背景青、文字白)を配置。
# 4. スマートフォン表示(smサイズ以下)では、リンクとボタンを非表示にし、ハンバーガーメニューアイコンを表示してください。
AIが生成したコードをレビューし、その後「ハンバーガーメニューをクリックしたらドロップダウンメニューが開くように、useState を使って実装して」といった形で対話的に機能を追加していきます。
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具体例2:【バックエンド】Python(Flask)で簡単なAPIエンドポイントを作成
バイブコーディングの具体例2つ目は、Python(Flask)で簡単なAPIエンドポイントを作成するものです。
バックエンド開発においても、APIの雛形作成にこのやり方が役立つでしょう。
定型的なコード生成をAIに任せることで、開発速度の向上が期待できます。
# Python と Flask を使用
# 要件:
# 1. `/api/v1/users` というエンドポイント(GETリクエスト)を作成してください。
# 2. 以下のダミーデータ(ユーザー2名分のリスト)をJSON形式で返却してください。
# - id: 1, name: 'Taro Yamada'
# - id: 2, name: 'Hanako Suzuki'
# 3. CORS(クロスオリジンリソース共有)を許可するように設定してください。
# 4. サーバーをポート 5000 でデバッグモードで起動するコードも含めてください。
この具体例で基本的な動作を確認した後、「POSTリクエストで新しいユーザーを追加できるようにして」や「id指定で特定のユーザーを取得するエンドポイントを追加して」といった指示を出すことで、対話的にAPIを拡張できます。
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具体例3:【データ処理】Python(Pandas)でCSVデータを読み込み集計
バイブコーディングの具体例3つ目は、Python(Pandas)でCSVデータを読み込み集計するものです。
データ分析の領域でも、バイブコーディングのやり方は役立ちます。
特にデータの前処理や集計作業の効率化に貢献するでしょう。
# Python と Pandas を使用
# 状況:
# 'sales.csv' というファイルがあります。
# CSVには 'date' (YYYY-MM-DD形式), 'category', 'amount' (数値) という列があります。
# 要件:
# 1. 'sales.csv' をDataFrameに読み込んでください。
# 2. 'category' 列のカテゴリ(例: 'Electronics', 'Books')ごとに、'amount' 列の合計値を計算してください。
# 3. 結果を 'category_summary.csv' という新しいファイルに保存してください。
まずはこのプロンプトで基本的な集計を行い、次に「date 列をdatetime型に変換して、月別の売上集計も追加して」のように、対話を通じて分析を深めていくことが可能です。
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バイブコーディングのやり方のコツ3選

バイブコーディングのやり方を実践しても、最初はうまくいかないかもしれません。
AIから精度の高い回答を引き出すためには、いくつかのコツがあります。
バイブコーディングのやり方のコツ
- 曖昧な指示と具体的な指示を使い分ける
- 複数のプロンプトパターンを試行する
- AIの得意・不得意を理解して任せる
これらのコツを意識するだけで、AIとの対話の質向上が見込めるでしょう。
コツ1:曖昧な指示と具体的な指示を使い分ける
バイブコーディングのやり方のコツ1つ目は、曖昧な指示と具体的な指示を使い分けることです。
常に曖昧な指示だけでは、AIが意図を正確に汲み取れません。
最初は「雰囲気」で投げかけ、AIの回答の方向性が定まってきたら、徐々に具体的な指示(例:「ここの変数名を変えて」)に切り替えます。
状況に応じた指示の使い分けが、成功の鍵となります。
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コツ2:複数のプロンプトパターンを試行する
バイブコーディングのやり方のコツ2つ目は、複数のプロンプトパターンを試行することです。
AIは入力された言葉(プロンプト)に強く依存するためです。
例えば、質問の仕方を変えたり、前提条件を追加したりします。
また、異なる具体例を示すのも有効なやり方です。
一つの表現に固執せず、複数のパターンを試す柔軟な姿勢が求められます。
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コツ3:AIの得意・不得意を理解して任せる
バイブコーディングのやり方のコツ3つ目は、AIの得意・不得意を理解して任せることです。
AIは定型的なコード生成やアルゴリズムの実装は得意です。
しかし、複雑なビジネスロジックや最新技術の深い理解は不得意な場合があります。
得意な作業はAIに任せ、人間はより創造的な作業や最終的な意思決定に集中しましょう。
AIを「万能な部下」というよりも「優秀なアシスタント」として捉えるべきでしょう。
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バイブコーディング実践時の注意点5選

バイブコーディングは非常に強力なやり方ですが、利用には注意が必要です。
開発者が認識しておくべき、5つの主要な注意点を解説します。
バイブコーディング実践時の注意点
- 機密情報や個人情報を入力しない
- 生成コードの正確性・脆弱性を必ず確認する
- AIのハルシネーションに注意する
- 法的な課題を認識する
- 属人化を避けノウハウ共有に努める
これらの注意点を把握し、安全かつ効果的にバイブコーディングを活用しましょう。
注意点1:機密情報や個人情報を入力しない
バイブコーディング実践時の注意点1つ目は、機密情報や個人情報を入力しないことです。
入力されたデータが、AIモデルの学習に利用される可能性があるためです。
会社の内部情報、顧客データ、APIキーなどを直接入力する行為は絶対に避けるべきです。
どのような情報が学習に使われるか、利用するAIツールの規約を必ず確認してください。
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注意点2:生成コードの正確性・脆弱性を必ず確認する
バイブコーディング実践時の注意点2つ目は、生成コードの正確性・脆弱性を必ず確認することです。
生成されたコードには、バグやセキュリティ上の脆弱性が含まれる恐れがあるためです。
特に、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの典型的な脆弱性には注意が必要です。
AIのコードを鵜呑みにせず、セキュリティチェックを怠らないようにしましょう。
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注意点3:AIのハルシネーションに注意する
バイブコーディング実践時の注意点3つ目は、AIのハルシネーションに注意することです。
AIは、存在しない関数やライブラリを、さも実在するかのように回答することがあります。
AIが提示したコードや情報が正しいか、公式ドキュメントなどで裏付けを取る習慣が重要です。
AIの回答はあくまで参考情報と捉え、最終的な判断は人間が行いましょう。
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注意点4:法的な課題を認識する
バイブコーディング実践時の注意点4つ目は、法的な課題を認識することです。
AIが学習データに含まれる既存のコードをそのまま出力した場合、ライセンス違反になる可能性があります。
商用利用を考えている場合は特に注意が必要で、自社の法務部門や専門家への確認が推奨されます。
生成コードの利用範囲について、法的なリスクを認識しておく必要があります。
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注意点5:属人化を避けノウハウ共有に努める
バイブコーディング実践時の注意点5つ目は、属人化を避け、ノウハウ共有に努めることです。
バイブコーディングのやり方は、個人のスキルに依存しがちです。
優れたプロンプトや対話のノウハウが個人に留まると、チーム全体の生産性が上がりません。
うまくいったプロンプト例や、効果的だった対話の具体例をチーム内で共有する仕組みを作ることが大切です。
スキルが属人化することを防ぎ、チームとしてAI活用のレベルアップを目指しましょう。
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生成AIのビジネス活用は専門家への相談もおすすめ

バイブコーディングは、開発者個人の生産性を高める強力な手法です。
しかし、それを組織的な開発プロセスに組み込み、ビジネス成果につなげるのは容易ではありません。
セキュリティの担保、AIモデルの選定、社内データとの連携など、考慮すべき課題は多岐にわたります。
もし自社でのAI活用や運用方法に悩んでいるなら、専門家の知見を活用するのも一つの有効な手段です。
AI活用の第一相談所を担う「クラベルAI」では、AIの活用を考えている方と専門家とのマッチングサービスを展開しています。
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なお、電話相談(03-6826-0562)も可能です。
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バイブコーディングのやり方の具体例を押さえよう

バイブコーディングのやり方は、開発者がAIと対話しながら高速でコードを生み出す強力なスタイルです。
まずは簡単な具体例からAIとの対話を試し、その感覚をつかんでみてください。
そして、AIを優秀なアシスタントとして活用し、開発プロセスを加速させていきましょう。
また、生成をビジネスで活用するためには、AI専門家への相談も有効な選択肢です。
クラベルAIでは、AI活用に関する無料相談を受け付けています。
「誰に・何を・どう聞けばいいの?」というところからAIを使った大規模開発まで、何度でも無料で相談できるので、AI活用をお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。
バイブコーディングのやり方に関するよくある質問

最後に、バイブコーディングのやり方に関するよくある質問を紹介します。
既存のコード改修(リファクタリング)にも使えますか?
はい、バイブコーディングのやり方はリファクタリングにも非常に有効です。AIはコードのパターンを認識し、改善案を提示するのが得意だからです。例えば、既存のコードをAIに提示し、「このコードをより効率的に(あるいは読みやすく)リファクタリングして」と指示できます。ただし、AIの提案が最適とは限りません。最終的なコードの品質は開発者が担保してください。
バイブコーディングがうまくいかないときの対処法はありますか?
バイブコーディングがうまくいかないときは、一度に多くを求めすぎていないか見直しましょう。AIは複雑で巨大なタスクを一気に処理するのが苦手です。タスクを小さなステップに分割し、一つずつAIに指示を与えるやり方が効果的です。また、プロンプトの工夫も試してください。焦らず、AIと対話しながら少しずつ正解に近づけていく意識が重要です。
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