ショートQ&Aコーナー
- Q:生成AIでプロンプトが重要な理由は?
A:出力の質や作業効率の向上のため。 - Q:生成AIのプロンプトのコツは?
A:役割を与えたり出力形式を指定したりなど。 - Q:生成AIのプロンプトに応用テクニックはある?
A:思考のステップを順序だてて指示したり複数の視点からアイデアを出させたりなど。 - Q:生成AIのプロンプトの注意点は?
A:個人情報や機密情報は絶対に入力しないことや最後に人の目でチェックして調整することなど。
「生成AIを使ってみたものの、思ったような答えが返ってこない」と悩んでいませんか?
その鍵を握るのが、AIへの指示文である「プロンプト」です。
生成AIの回答の質は、プロンプト次第で劇的に変わります。
本記事では、プロンプトの基本から応用テクニック、さらにはコピペしてすぐに使える具体的な例文までを解説。
それでは、生成AIでプロンプトが重要な理由からみていきましょう。
目次
生成AIでプロンプトが重要な理由2選
生成AIにおいて、なぜプロンプトはそれほど重要視されるのでしょうか?
それには主に2つの理由があります。
生成AIでプロンプトが重要な理由
- 出力の質が劇的に向上するため
- 意図しない回答による手戻りを防ぎ作業効率を高めるため
これらの理由を理解すれば、プロンプト作成への意識が大きく変わるはずです。
具体的な理由を順番にみていきましょう。
理由1:出力の質が劇的に向上するため
生成AIを使ううえでプロンプトが重要な大きな理由は、出力の質が劇的に向上するためです。
生成AIは、基本的に、与えられた指示以上のことは実行できません。
そのため、曖昧な指示ではありきたりな回答しか返ってこないのです。
しかし、具体的で的確な指示を出せば、AIはより深く思考し、質の高い回答を生成してくれます。
アウトプットの質はプロンプトの質に直結するといえるでしょう。
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理由2:意図しない回答による手戻りを防ぎ作業効率を高めるため
質の高いプロンプトは、作業の手戻りを減らし、全体の作業効率を大幅に高めます。
指示が不明確だと、AIは意図と違う回答を生成しがちです。
その結果、何度も指示を修正してやり直す必要が出てきてしまい、時間の大きなロスとなります。
最初から的確なプロンプトを作成すれば、一回で望む回答を得られる確率が高まります。
急がば回れの精神が作業効率化の鍵です。
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生成AIのプロンプトの基本的なコツ5選
それでは、具体的にどのようなプロンプトを書けばよいのでしょうか?
ここでは、初心者の方がまず押さえるべき基本的な5つのコツを紹介します。
生成AIのプロンプトの基本的なコツ
- 「役割」を与えて専門家になりきってもらう
- 「目的」や「ゴール」を明確に伝える
- 具体的で詳細な「条件」や「背景」を追加する
- 「出力形式」を指定して欲しい形を手に入れる
- 一度で終わらせず「対話」をしながら深掘りする
これらを意識するだけで、AIとの対話がスムーズになるはずです。
コツ1:「役割」を与えて専門家になりきってもらう
生成AIのプロンプトのコツ1つ目は、生成AIに「役割」を与えて専門家になりきってもらうことです。
AIに特定の役割を与えることは、回答の質を高めるうえで非常に有効です。
単に質問するのではなく、次のように役割を設定します。
あなたはプロの編集者です。
あなたは経験豊富なマーケターです。
役割を与えることで、AIはその立場になりきり、より専門的で的確な視点から回答を生成しようとします。
これにより、回答の解像度が格段に上がり、期待するアウトプットを得やすくなるのです。
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コツ2:「目的」や「ゴール」を明確に伝える
生成AIのプロンプトのコツ2つ目は、「目的」や「ゴール」を明確に伝えることです。
目的やゴールが分かると、AIは文脈を理解し、より意図に沿った回答を生成しやすくなります。
例えば「新商品のPR戦略を考えて」と指示するだけでなく、次のように加えてみましょう。
若年層の認知度を上げる目的で、新商品のPR戦略を考えて。
このように目的を伝えることで、AIはゴールから逆算して最適な回答を考えてくれるようになります。
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コツ3:具体的で詳細な「条件」や「背景」を追加する
生成AIのプロンプトのコツ3つ目は、具体的で詳細な「条件」や「背景」を追加することです。
質の高い回答を得るには、指示に具体性を持たせることが欠かせません。
例えば、「面白いストーリーを考えて」という曖昧な指示では、凡庸な内容になりがちです。
そこで次のように、詳細な条件や背景情報を追加します。
江戸時代を舞台にした、猫が主人公のミステリー。
制約を与えることでAIの思考が深まり、よりユニークで創造的なアイデアが生まれやすくなります。
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コツ4:「出力形式」を指定して欲しい形を手に入れる
生成AIのプロンプトのコツ4つ目は、「出力形式」を指定することです。
例えば、単にアイデア出しを頼むのではなく、次のように明確に指示します。
箇条書きで10個提案してください。
以下の情報を表形式でまとめてください。
出力形式を指定することで、AIが生成したテキストを後から自分で整形する手間が省けます。
これにより、作業時間を大幅に短縮し、効率化を図れるのです。
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コツ5:一度で終わらせず「対話」をしながら深掘りする
生成AIのプロンプトのコツ5つ目は、一度で終わらせず「対話」をしながら深掘りすることです。
よいプロンプトとは、AIとの対話を通じて回答を洗練させていく技術でもあります。
最初の回答が期待通りでなくても、がっかりする必要はありません。
次のように追加の指示を出すことで、回答の精度はどんどん高まっていきます。
もっと具体的に説明して。
別の視点から考えて。
対話を重ねて理想の答えに近づけていきましょう。
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生成AIのプロンプトの応用テクニック3選
プロンプトの基本のコツをマスターしたら、次は応用テクニックに挑戦してみましょう。
ここでは、生成AIからさらに精度の高い回答を引き出すためのテクニックを3つ紹介します。
生成AIのプロンプトの応用テクニック
- 思考のステップを順序立てて指示する
- 複数の視点からアイデアを出させる
- よい例・悪い例を提示して品質をコントロールする
これらのテクニックを押さえることで、より精度の高いアウトプットを得られるようになるでしょう。
テクニック1:思考のステップを順序立てて指示する
生成AIのプロンプトの応用テクニック1つ目は、思考のステップを順序立てて指示することです。
複雑なタスクを依頼する際は、AIに思考のステップを順を追って実行させるのがよいでしょう。
例えば、いきなり結論を求めるのではなく、次のように段階的に指示します。
まず問題点を分析し、次に対策案を3つ出し、最後にそれぞれのメリット・デメリットを比較して。
これにより、AIは論理的に思考し、より正確で質の高い結論を導き出せるようになります。
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テクニック2:複数の視点からアイデアを出させる
生成AIのプロンプトの応用テクニックとして、複数の視点からアイデアを出させる方法もあります。
一つの視点に縛られない、多様なアイデアが欲しい場合に役立つテクニックです。
例えば、次のように指示します。
新商品のキャッチコピーを、顧客視点、競合視点、開発者視点の3つの立場からそれぞれ考えてください。
複数のペルソナ(役割)を与えることで、AIは多角的な思考を展開し、自分だけでは思いつかなかったような斬新な切り口のアイデアを提示してくれるでしょう。
このテクニックは、ブレインストーミングなどで非常に役立ちます。
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テクニック3:よい例・悪い例を提示して品質をコントロールする
AIに具体的な「よい例」や「悪い例」を提示するのも、プロンプトの応用テクニックです。
これは「Few-shotプロンプティング」とも呼ばれ、AIに品質の基準を学習させられます。
例えば、文章の校正を依頼する際に、修正前後の文章例をいくつか見せるのです。
するとAIはそのスタイルを模倣し、よりあなたの意図に近い形で校正を行ってくれます。
回答のトーンや形式を細かくコントロールしたい場合に役立つでしょう。
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生成AIのプロンプト例文4選【作業別】
生成AIのプロンプトについて、コツやテクニックを学んだら、次は実践です。
ここでは、さまざまなビジネスシーンですぐに使えるプロンプトの例文を紹介します。
生成AIのプロンプト例文【作業別】
- ブログ記事を執筆する
- アイデア(キャッチコピー)を複数出してもらう
- SNSの投稿文を作成する
- ビジネスメールの文章を作成・添削する
目的に合わせ、コツやテクニックを参考にしながら、自分なりにカスタマイズして活用してみてください。
例文1:ブログ記事を執筆する
まずは、ブログ記事を執筆する際のプロンプトです。
記事のターゲット読者や主要キーワード、含めてほしい内容を具体的に指定することがポイントです。
これにより、SEOを意識した、読者の検索意図を満たす記事を素早く作成できます。
# 命令書
あなたはプロのWebライターです。以下の制約条件に従って、ブログ記事を作成してください。
# 制約条件
・テーマ:生成AIのプロンプト作成のコツ
・キーワード:生成AI プロンプト コツ
・ターゲット読者:生成AIを使い始めたが、活用できていないビジネスパーソン
・構成:記事構成案に沿って執筆
・文字数:2000字程度
・トーン:丁寧で分かりやすい言葉遣い
・注意点:読者がすぐ実践できるような具体的な内容を盛り込む
このテンプレートを基に、あなたのテーマに合わせて内容を調整してみてください。
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例文2:アイデア(キャッチコピー)を複数出してもらう
新商品やサービスのキャッチコピーを考える際に役立つプロンプトです。
商品の概要やターゲットを伝え、多様な切り口からアイデアを出させるのがポイントです。
感情に訴える、面白さを重視するなど、方向性を指定すると、より質の高いアイデアが得られます。
# 命令書
あなたは受賞歴のあるコピーライターです。以下の商品のキャッチコピーを10個考えてください。
# 商品情報
・商品概要:体型に合わせて硬さが変化することが特徴的な快眠できるマットレス
・ターゲット:睡眠の質に悩む30代のビジネスパーソン
# 要望
・短いフレーズで覚えやすいもの
・機能的なメリットが伝わるもの
・安心感や心地よさが感じられるもの
上記の例文を参考に、さまざまなバリエーションをAIに提案させてみましょう。
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例文3:SNSの投稿文を作成する
SNSの投稿文を作成する際に役立つプロンプトです。
SNSの投稿文を作成する際は、プラットフォームの特性を理解させることが重要です。
Xなら短くインパクトのある文章、Instagramなら共感を呼ぶ文章と写真の描写、といった具合に指示を分けます。
また、ハッシュタグの提案を含めることで、より実践的な投稿文が完成します。
# 命令書
あなたは人気インフルエンサーです。以下の内容でInstagramの投稿文を作成してください。
# 投稿内容
・写真:夕焼けが見える海辺のカフェで読書している様子
・伝えたいこと:新しくオープンしたカフェの魅力と、そこで過ごすリラックスした時間
# 制約条件
・トーン:おしゃれで、少し詩的な表現
・文字数:150字程度
・ハッシュタグ:#海の見えるカフェ #ブックカフェ #休日の過ごし方 など、関連するものを5個提案
ターゲットに響く投稿文を効率的に作成しましょう。
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例文4:ビジネスメールの文章を作成・添削する
ビジネスメールの文章作成や添削に使えるプロンプトです。
ビジネスメールの作成では、相手との関係性や用件を正確に伝えることが重要です。
丁寧さのレベルや、伝えたい要点を明確に指示することで、状況に適したメール文を生成できます。
# 命令書
あなたは経験豊富なビジネスパーソンです。以下の要件で、取引先へのアポイント依頼メールを作成してください。
# 要件
・宛先:株式会社〇〇 役職 △△様
・目的:新サービスのご提案のため、30分ほどお時間をいただきたい
・候補日時:来週の火曜日午後、または水曜日の終日
・署名:株式会社●● 所属 □□
# トーン
・丁寧かつ簡潔に
自分で書いた文章を、より丁寧で分かりやすい表現に添削してもらう使い方も効果的でしょう。
なお、安全のために、会社名や個人名、住所や電話番号など、会社や個人を特定できるような情報や機密情報は必ず伏せてプロンプトを作成しましょう。
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生成AIのプロンプトの注意点3選
生成AIは非常に強力なツールですが、利用するうえで知っておくべき注意点もあります。
生成AIのプロンプトの注意点
- 個人情報や機密情報は絶対に入力しない
- 生成された情報は必ずファクトチェックする
- 最後に人の目で確認したうえで調整する
安全かつ適切に活用するために、上記の点を必ず守るようにしましょう。
注意点1:個人情報や機密情報は入力しない
特に重要な注意点は、個人情報や機密情報をプロンプトとして入力しないことです。
氏名・住所・電話番号といった個人情報はもちろん、会社の内部情報や顧客データなども絶対に入力してはいけません。
入力した情報が、AIモデルの学習データとして利用される可能性がゼロではないためです。
情報漏洩のリスクを避けるため、細心の注意を払って利用することが求められます。
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注意点2:生成された情報は必ずファクトチェックする
AIに生成された情報は、必ずファクトチェックすることも非常に重要です。
生成AIが作り出す情報は、一見すると正しく見えても、事実と異なる内容や古い情報が含まれている可能性があります。
AIの回答を鵜呑みにせず、必ず信頼できる情報源で内容が正しいかを確認(ファクトチェック)する癖をつけましょう。
特に、統計データや専門的な情報を扱う際には、この確認作業が欠かせません。
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注意点3:最後に人の目で確認したうえで調整する
生成AIの回答は、必ず最後に人の目で確認し、調整を加えることも欠かせません。
AIが生成した文章は、文法的に正しくても、細かなニュアンスが欠けている場合があります。
例えば、顧客へのメールが少し冷たい印象を与えたり、記事のトーンがブランドイメージと合わなかったりすることがあるでしょう。
AIはあくまで補助ツールであり、最終的なアウトプットの責任は使用者が負います。
AIの生成物は「完成品」ではなく「優秀な下書き」と捉え、最終的な仕上げは自分の手で行うという意識が重要です。
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生成AIを活用するには専門家へ相談するのもおすすめ
生成AIを活用するには、AI専門家に相談するのもおすすめの手段です。
プロンプトのコツを押さえても、なかなか思うように活用し切れないと感じることもあるでしょう。
専門家には、どのような場面でどうAIを使うべきかなど、AI活用に関して幅広く相談できます。
AI活用の第一相談所を担う「クラベルAI」では、AIの活用を考えている方と専門家とのマッチングサービスを展開しています。
AI活用における「誰に・何を・どう聞けばいいの?」というところからAIを使った大規模開発まで、何度でも無料で相談可能。
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なお、電話相談(03-6826-0562)も可能です。
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生成AIのプロンプトのコツを押さえて活用しよう
コツを押さえたプロンプトは、AIの回答の質と作業効率を飛躍的に向上させるために不可欠です。
AIに役割や目的を明確に伝え、対話を重ねながら回答を磨き上げていくことが成功の鍵となります。
まずは、本記事で紹介した基本的なコツやテクニックを参考に、さまざまなプロンプトを試してみてください。
なお、クラベルAIでは、AI活用に関する無料相談を受け付けています。
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